2002年生まれのカネヒキリは、キャリア通算23戦12勝をあげ、ダートにおいては多数のG1タイトルを獲得した名サラブレッドでした。

4歳時に屈腱炎を発症し、長期離脱を余儀なくされたのですが、2年以上のブランクの後に復帰してからG1を3つも制覇する等、古馬になっても大活躍しました。

通算でもG1タイトルを7つも獲得していて、記録にも記憶にも残るカネヒキリ。そんな名馬のデータを分析していきましょう。

カネヒキリのプロフィール

2歳7月の新馬戦でデビュー。この時は柴田善臣騎手とのコンビで4着に敗れる。このレースは芝のレースであった。

翌8月の未勝利戦も芝のレースに出走。福永祐一騎手とコンビを組んだが、11着と大敗する。

3歳になってからはダート路線に変更。この時は池添謙一騎手に変わり、初めてのダートだったが2着に1.2秒差の大差を付けて圧勝、初めての勝利。

続く500万下も2着に1.8秒差で大勝し、3月の毎日杯に挑戦するも7着に敗れる。カネヒキリにとってこの毎日杯が芝での最後のレースとなった。

4月からは完全にダートに専念。端午ステークス、ユニコーンステークス、ジャパンダートダービー、ダービーグランプリと4連勝して一躍ダート路線でトップホースに登りつめた。

10月には5連勝を掛けて武蔵野ステークスに挑むも、この時は2着に敗れる。

11月にはジャパンカップダートに出走。1番人気の期待に応えてレコードタイムで優勝。3つめのG1タイトルを獲得。

この年の活躍が認められ、2005年の最優秀ダートホースに選出される。

4歳緒戦のフェブラリーステークスも制して4つめのG1を獲得、国内のダート最強馬としてドバイワールドカップに挑戦するも、4着に敗れた。

帰国後は帝王賞で2着となった後、屈腱炎を発症。ここから2年以上の戦線離脱となった。

2年後の2008年に復帰。復帰戦は9着だったが、復帰2戦目のジャパンカップダートを制した。

次戦の東京大賞典、川崎記念も勝ってG1を3連勝。2008年に2度目の最優秀ダートホースに選出される。カネヒキリは結局2010年の8歳期まで現役を続けた。

引退後は種牡馬入り。種付け料がリーズナブルな事と、フジキセキの後継種牡馬でもあるので、初年度から毎年100頭以上の牝馬と交配している。

しかし、2016年5月27日に種付け中の事故で急逝してしまった。

サイアーランキングの推移

  • 2015年:49位
  • 2014年:110位
  • 2013年:-位
  • 2012年:-位
  • 2011年:-位

種付け料

60万円

代表産駒

アルタイル、トロヴァオ、オトコノヒマツリ、ユズチャン、コールサインゼロ、キングノヨアケ等

血統

カネヒキリの血統表

父のフジキセキは、スピードとパワーの両方を兼ね備えた名種牡馬であり、カネヒキリ自身はダート部門での代表的な産駒である。

母のライフアウトゼア自身は未出走ですが、母系の叔父にアメリカの種牡馬のシルヴァーデピュティ、甥に東京ジャンプステークスを勝ったギルティストライクらがいる。

母父のデピュティミニスターは2年連続で北米のリーディングサイアーに輝いた事もある素晴らしい種牡馬である。

カネヒキリ産駒のデータ

次にカネヒキリ産駒の成績を見ていきましょう。これからご紹介するデータは2014年1月1日から2016年7月10日までのデータを基に分析していきます。

場所別(芝コース)

場所別の勝率(芝)

カネヒキリ自身は芝では良い走りが出来ませんでしたが、ダートでは非常に強さを発揮したサラブレッドです。

産駒も同じ傾向で、芝では良い結果を出せていません。上のデータを見ると、2014年以降ではすべての競馬場で1度も3着以内が無いです。

場所別(ダートコース)

場所別の勝率(ダート)

ダートになると芝と違って勝てる産駒が多くなります。特に京都や新潟を得意としています。

この2つの競馬場では、単勝適性回収値と複勝回収値がともに100を超えています。京都と新潟のダートでは、カネヒキリ産駒をマークした方が良いでしょう。

ダートでも苦手としている競馬場も有り、函館、中山、小倉の3つを比較的苦手としています。

小倉に関しては、2014年以降13回出走して一度も馬券になっていません。

ダートが得意な産駒とはいえ、競馬場によって成績に違いがあることも忘れないで下さい。

クラス別(芝コース)

クラス別成績(芝)

次にクラス別の成績も見ていきたいと思います。上のデータは芝のデータですが、芝では1度も馬券になっていないのですべてのデータが0パーセントになっています。

まだ出走数自体も少ないので、今後は少し変化があり得ますが現時点では評価出来ないデータになっています。

クラス別(ダートコース)

クラス別成績(ダート)

ダートになると新馬戦から高い複勝率があり、1600万下クラスまでなら買える血統だという事が分かります。

特に1600万下クラスでの確率が素晴らしく、勝率が27.6%、連対率31%、複勝率が37.9%と非常に相性が良いです。

逆にオープン特別クラス以上になると勝つのが難しくなり、2014年以降では未勝利です。

距離別(芝コース)

距離別(芝コース)

距離別成績のデータも見てみましょう。芝のレースではもともと3着以内が1度も無いので、正しい距離適性を評価するのは現時点では無理という事になります。

距離別(ダートコース)

距離別(ダートコース)

一部のサイトでは、「カネヒキリ産駒はマイル戦がベスト」という評価が書かれていますが、2014年以降のデータを見ると距離が長くなるほど勝率や連対率が高くなっています。

2100m以上のデータ数が少ないのでデータの信頼度が落ちますが、マイルよりも中長距離の方が良い結果を出しているのは事実です。

馬場状態別

カネヒキリ産駒の馬場状態別成績

馬場状態別の傾向では、ダートの場合は良馬場での成績が最も良い傾向にあります。勝率は不良馬場の方が良い数字ですが、連対率や複勝率で見ると良馬場が最も相性が良いと思います。

性別と年齢別

次に牡馬・セン馬と牝馬の年齢別の成績を分析してみましょう。下の2枚のデータがありますが、上が牡馬・セン馬、下の画像データは牝馬になります。

カネヒキリ産駒の牡馬・セン馬の年齢別成績

牡馬・セン馬の年齢別成績

牡馬と牝馬で分けてデータを見たときに、牡馬の方が成績が良いのが分かります。回収率でも牡馬の方が明らかに良く、夏から秋にかけて回収率が高くなる傾向があります。

ただ、これはたまたま偶然かもしれません。カネヒキリの初年度産駒はまだ4歳なので、これから様々なデータの変化があるかもしれません。

カネヒキリ産駒の牝馬の年齢別成績

牝馬の年齢別成績

牝馬の場合は牡馬よりも成績が悪い傾向にあります。頭数も牝馬の方が少ないので、データの信頼性は多少落ちますが、ここまでのデータでは牡馬優勢は間違いないです。

カネヒキリ産駒の馬券の買い方

2014年以降、今まで芝で3着以内になった事が1回も無いので芝では買えない産駒という事がいえそうです。完全なダート血統だと思います。

回収率が高い新潟や京都、阪神なら是非マークしたい存在です。

距離に関してはマイルから2400mまでの方がお勧めで、特に2100m以上の距離で高い回収率を誇ります。

性別にも留意する必要があり、ここまでは明らかに牡馬優勢で牝馬は苦戦しています。

馬券を買うなら、長距離、京都、阪神、新潟、牡馬のキーワードに該当する時に狙いたい馬券です。


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