競馬の初心者もベテランの馬券師も万人に人気がある馬券が単勝馬券です。
近年は三連単や三連複の様なハイリスク・ハイリターン馬券も人気が上昇しているのですが、競馬の基本はやはり単勝馬券だと思います。
そんな単勝馬券で勝てる買い方を、客観的なデータを見ながら解説します。
今回の目次
単勝はもっとも分かりやすい馬券
単勝馬券は、1着になる馬を当てる馬券です。三連単や三連複馬券等ではテレビを見ながら自分が購入した馬のメモを確認しながら見守るのですが、この単勝馬券はテレビを見ている最中も分かりやすいのが特徴です。1着になる馬だけをみれば良いのですから。
単勝馬券は、複勝馬券と並び他の馬券よりも控除率が低いのもメリットです。馬単や三連複は控除率が25%ですが、単勝馬券は20%の控除率になっているので購入者には相対的にお得な馬券なのです。
単勝馬券を買うときに大事な事
レースで1番人気の馬の単勝オッズは通常、1倍台から3倍台になります。いくら勝率が高いからと言って毎回1番人気の馬を買い続けても、長期的にはマイナスになる可能性があります。
そもそも1番人気の馬でも勝率は3割ほどしかないのです。3割の確率で的中しても配当が2倍から3倍前後というのは、ギャンブルとしては魅力的とはいえません。
人気馬の勝率は「競馬は人気馬だけを買い続けても損をする」に詳細があります。
私の経験上、もっとも良い方法は3番人気から6番人気辺りの馬の単勝馬券を買い続けると良いと思います。
その場合は1番人気の勝率よりも低くなりますが、1回あたりの配当が高くなるので、今までの投資分を一気に回収できるからです。
ただし、その3番人気から6番人気の馬の中で、コース適性や血統、過去のレース映像などを総合的に判断して期待できる馬というのが前提です。
ただ闇雲に「中くらいの人気だから買おう」というのはやめて下さい
逆に大穴馬券の単勝を狙うのも危険です。的中率がかなり低くなり、いつになっても的中しない感覚になってしまいます。人気馬を買い続けるのも、大穴の単勝を買い続けるのもオススメしません。
単勝オッズ毎の勝率や回収率
それでは実際に過去の統計データを見ながら、単勝オッズ毎の回収率を見てみましょう。
下の画像は2015年1年間のJRAの全レースの単勝オッズ毎の成績表です。
上のデータを見ると、単勝オッズで1.0倍から1.4倍以下の圧倒的人気の馬の勝率は67.8%で、複勝率は92.2%と非常に高い確率で3着以内になる事が分かります。
2015年1年間で90回中83回が3着以内になっています。
単勝と複勝の回収値も89から98の範囲にあるという事は、単勝馬券の控除率を考えると、お得な馬券といえると思います。
単勝の控除率が20%という事は、払戻率が80%という事です。つまり、上のデータで回収値が80を上回っていれば及第点という意味です。
一番回収率が良いのは20倍から30倍未満の単勝オッズの馬
上のデータをもう一度ご覧頂きたいのですが、一番回収値が高いのは単勝オッズが20倍から30倍未満の範囲の馬券です。
単勝オッズで1.4倍以下の圧倒的な1番人気の単勝馬券と、20倍から30倍未満の単勝オッズが付いている馬を買い続けるのを比較した場合、長期的な収支は殆ど変わりません。
むしろ単勝オッズが20倍から30倍の範囲の馬券を買い続けている方が、若干得するというデータになっています。
単勝オッズ100倍以上の的中率と回収率
先ほど「大穴馬券を買い続けるのは良くない」という趣旨の事を書きましたが、これは先ほどのデータをご覧頂いても明らかです。
単勝オッズが100倍以上の馬の勝率は、わずか0.3%で回収率も50以下と低いです。
長期的に継続して100倍以上の単勝オッズの馬を買い続けるのは、99%損をするといっても良いです。
どうしても単勝1番人気を買いたい人へ
単勝馬券でどうしても1番人気の馬を買い続けたいと思っている方も多いと思います。
もしそんな方のために少しでも有益になればと思い、以下のデータも記載させていただきます。
単勝1番人気の種牡馬別成績
下記のデータは、2015年1年間に1番人気になった馬の種牡馬別の成績表です。
このデータでは、1番人気になった馬の中で、どの種牡馬の産駒の回収率が高いかが分かるデータになっています。
一番右の赤枠の中の数字が回収率になります。この中で回収率が100を超えている種牡馬をピックアップして、これも種牡馬の名前の所に赤枠で囲んであります。
これを見ると、サクラバクシンオー、エンパイアメーカー、ディープスカイ、プリサイスエンド、スクリーンヒーローの回収率が100を超えています。
これらの産駒が単勝1番人気になっている時に買い続けた場合は、長期的には収支がプラスになる可能性が高いという事がいえます。
単勝1番人気の騎手別成績表(平場レース)
次に1番人気に乗った騎手別の成績表です。2つのデータがあり、上のデータは平場(重賞レース以外)のレースで、下のデータは重賞レース限定での成績です。
※データの集計期間は2015年1年間のデータになります。
まず平馬のレースでの騎手別成績から見ていきましょう。
人気ジョッキーのミルコ・デムーロやルメール騎手などは、複勝率が高いですが回収率がそれほど高くありません。
これは馬券が過剰人気気味になっている為に、馬の実力以上に馬券が買われているという事になります。
平馬のレースでは、騎手で買うという事はそれほど意識しないで良いのかもしれません。
ちなみに平馬のレースでは、小牧太ジョッキーの回収率が一番高い様です。
単勝1番人気の騎手別成績表(重賞レース)
次に重賞レースに限定した成績表も見てみましょう。
重賞レースになると、外国人ジョッキーの回収率が高くなります。
外国人ジョッキーの特徴の一つに、「重賞レースだけ本気を出す」と表現される位、重賞レースでの気合いの入り方が違います。
平場のレースと重賞レースでは、最後の直線での馬の追い方が明らかに違う時があるので、みなさんも機会があったら一度見比べてほしいです。
日本人ジョッキーも、岩田康成、戸崎圭太、川田将雅、田辺裕信、池添謙一、内田博幸といった実力者の回収率も高いです。
ジョッキーが平場と重賞で本気度が違うのは、国籍問わずにみんなに共通した事実といえるのかもしれません。
単勝1番人気の調教師別成績表
次に単勝1番人気の馬の調教師別の成績です。このデータは、2015年の重賞レース限定のデータになります。
このデータでは、池江泰寿、堀宣行、高橋義忠、友道康夫、小島太、尾関知人、手塚貴久といった、知名度の高い調教師の回収率が高いです。
やはり重賞レースともなると、実績のある厩舎が本気で仕上げたサラブレッドが活躍する様です。
是非参考にしていただきたいデータです。
ギャンブラーには単勝は人気がない?
最近は三連複や三連単などの様に、一度の的中で大きな配当を得られる馬券が発売されているので、大きく儲けようと考えている生粋のギャンブラーには単勝の人気があまり高くないようです。
私も最近は三連複をメインにしてからは単勝馬券を購入する機会が大分減ってしまったように思います。私の周りの競馬通の人達も三連系の馬券をメインにしています。
やはり、三連系の馬券はオッズの歪みがあるので、高配当を狙いやすいからです。ただし、競馬を始めたばかりの初心者の方には、単勝馬券から楽しむ事をオススメします。
的中率も比較的高い馬券なので、的中する喜びを味わうには良いと思います。