クロフネを筆頭に、様々な重賞レース勝ち馬を輩出しているフレンチデピュティ。種牡馬になって20年を経過しても衰えを感じさせない名種牡馬といえます。
2015年には、父としてもブルードメアサイアー(母父)としてもG1ホースを輩出し、サイアーランキングで20位と上昇させたフレンチデピュティ産駒の特徴を分析していきましょう。
今回の目次
フレンチデピュティのプロフィール
2歳の11月にデビュー。デビュー戦から3連勝でアメリカのG2のジェロームハンデキャップに挑戦し、ここでも快勝してデビュー以来5連勝を飾る。
その後にアローワンス競走で初めて敗れるが、期待を背負ってブリーダーズカップ・クラシックにチャレンジする。
しかし、9着と大敗してしまう。このレースを最後に現役を引退し、アメリカで種牡馬生活をスタートさせた。
日本では、産駒のクロフネがNHKマイルカップやジャパンカップダートを圧勝し、同じく産駒のノボジャックがJBCスプリント勝った事で種牡馬としてのフレンチデピュティに注目が集まった。
フレンチデピュティは日本に輸入され、日本で種牡馬生活を始める。
2004年に産駒が日本でデビュー。その年に早速フレッシュサイアーランキング1位になり、2歳リーディングでもサンデーサイレンスに次ぐ2位となる。
2006年にフレンドシップがジャパンダートダービーを勝って、日本産馬として初めてのG1制覇を達成し、翌年の2007年にはピンクカメオがNHKマイルカップを勝った。
2008年にはレジネッタが菊花賞を、アドマイヤジュピタが天皇賞春、エイシンデピュティが宝塚記念を制覇し、G1馬を3頭も輩出した。
その後数年は低迷期を過ごしていたが、2015年にはサウンドトゥルーが交流G1の日本テレビ盃を勝つと、JBCクラシックでも2着、チャンピオンズカップ3着と健闘。
年末の東京大賞典ではホッコータルマエを破り、初めてG1を勝った。
母父としても、2016年にマカヒキが弥生賞やダービーを勝ち、ブルードメアサイアーとしても存在感を発揮している。
サイアーランキングの推移
- 2015年:20位
- 2014年:33位
- 2013年:31位
- 2012年:28位
- 2011年:21位
種付け料
受胎確認後50万円
代表産駒
クロフネ、ピンクカメオ、フレンドシップ、ノボジャック、サウンドトゥルー、メイショウベルーガ、サンアディユ、カラダレジェンド、エイシンデピュティ、アルーリングボイス、アンブロワーズ、ブライトトゥモロー、グラスエイコーオー、ハウスパーティー、レフトバンク等
血統
父のデピュティミニスターは、アメリカ2歳チャンピオンであり、種牡馬としても1997年と1998年に北米のリーディングサイアーに輝いた事もある名種牡馬。
BCクラシックを制したオーサムアゲインなどを輩出し、北米を中心に父系を伸ばしているノーザンダンサー系の一流サイアーである。
母のミッターランドは、アメリカG1のラカナダSを勝っている。
母系は半姉にハリウッドスターレットS2着のプリンセスミッターランド、いとこにサンタイサベルSを勝ったコレクトコール、近親にはアメリカで種牡馬として活躍しているオールドファッションドらがいる。
母父のホールドユアピースは、アーリントンワシントンフューチュリティ等を勝ち、ケンタッキーダービーでも3着と健闘したスピード血統である。
フレンチデピュティ産駒のデータ
次にフレンチデピュティ産駒の成績を見ていきましょう。これからご紹介するデータは2014年1月1日から2016年6月10日までのデータを基に分析していきます。
場所別(芝コース)
フレンチデピュティ産駒は、競馬場によって成績の偏りが激しいのが特徴です。芝に関しては阪神競馬場を最も得意としており、他の競馬場を回収率で圧倒しています。
函館でも成績が良いですが、回収率で考えた場合に阪神で狙うべき血統といえるでしょう。
逆に苦手なのは札幌、東京、中山の3つです。この3つの場所では評価を下げた方が良いです。
場所別(ダートコース)
ダートになると、芝で苦手としていた札幌で豹変し、勝率や連対率が良くなります。回収率も高いので、ダートだと札幌で狙い目の血統になります。
新潟や東京もダートでは比較的良い成績をだしています。一番苦手なのは中京のダートで、勝率や複勝率が極端に悪くなります。
クラス別(芝コース)
クラス別の成績では、新馬戦や未勝利戦よりも500万下や1000万下クラスで最も良い成績を出しています。
G2での勝率が高いですが、5頭出走して1頭が勝っただけでサンプル数が少ないので、あまり気にしないで下さい。
これは2015年10月の府中牝馬ステークスでノボリディアーナが勝った事によるものです。
基本的には上級クラスよりも中級クラスで活躍できる血統だと思います。
クラス別(ダートコース)
ダートでも重賞レースまで行くことが出来ないけど、オープン特別クラスまでならそれなりに馬券に絡む事が期待できます。
距離別(芝コース)
距離適性に関しては、芝のレースだと短距離が一番複勝率が高いです。1300mまでのレースなら25%と高い複勝率を誇ります。
2000mまでのレースも悪くないですが、芝では短距離で買いたいと思います。
距離別(ダートコース)
ダートになると、芝よりも距離適性が伸びてマイル(1600m)前後が適性距離になります。勝率でも1700mから2000mの距離が一番高いです。
2000mを超えると殆ど馬券にならないので、長くても2000まで。出来ればマイル辺りが最適だと思います。
馬場状態別
馬場状態ですが、芝の場合は良馬場か稍重までの方が良いです。重馬場以上になると厳しい結果になる事が多くなります。
ダートでは重馬場でも十分対応できます。しかし、不良馬場になったら避けた方が良いと思います。
基本的にスピード血統なので、そのスピードを生かせるような馬場になると力を発揮できるでしょう。
性別と年齢別
次に牡馬・セン馬と牝馬の年齢別の成績を分析してみましょう。下の2枚のデータがありますが、上が牡馬・セン馬、下の画像データは牝馬になります。
牡馬とセン馬に関しては、2歳から安定して結果を出すことが可能で、3歳後半になってからも伸びる産駒も少なくないです。
特に3歳後半から5歳頃までの複勝率が高いアベレージを維持しているのが分かります。
牝馬でも基本的に牡馬と同じ傾向で、2歳から十分走る事が出来て5歳頃まで活躍できる産駒が多いです。しかし、回収率は牡馬の方が優勢になります。
フレンチデピュティ産駒の馬券の買い方
近年は短距離からマイル戦で活躍する産駒が多く、特に芝では1300mまでのスプリント戦に強いです。ダートになると距離の融通が利き、マイルまでなら十分勝負できるでしょう。
2歳の早い時期から活躍できる産駒も多く、クラシック戦線で活躍しているサラブレッドも少なくないです。
芝なら阪神、ダートなら札幌と新潟が特に魅力的な血統です。
それと近年は牝馬よりも牡馬の方が信頼度が高い傾向にあります。