サンデーサイレンスの3年目の産駒として登場し、その圧倒的なパフォーマンスで明るい未来を予感させたフジキセキ。
しかし、キャリアわずか4戦で現役を終え、2015年に亡くなった名種牡馬のデータを分析していきましょう。
今回の目次
フジキセキのプロフィール
2歳の8月に新馬戦でデビュー。このデビュー戦で、 2着に6馬身以上の差をつけて圧勝。このデビュー戦の勝利で、一躍注目の的となる。
次戦のもみじステークスで、後のダービー馬になるタヤスツヨシお相手に完勝する。キャリア3戦目の朝日杯3歳ステークスで1番人気になり、その期待に見事に答えて見事勝利し、2歳牡馬のチャンピオンになる。
3歳緒戦の弥生賞では、単勝1.3倍の圧倒的人気になる。このときは馬体重が前走より+16キロだったが、その圧倒的1番人気の期待に応えて快勝。
この時点でキャリア4戦4勝。クラシック候補の最有力となる。競馬ファンからは無敗の3冠馬になるのではないかと思われていた。
しかし、皐月賞出走前の3月下旬に屈腱炎を発症。精密検査の結果、復帰するまでには1年以上の期間を要することが判明。惜しまれながらも現役引退することとなった。
3歳の春から種牡馬人生をスタート。2年目産駒のダイタクリーヴァが皐月賞で2着、マイルチャンピオンシップでも2着になる。
その後もダートG1で7勝をあげたカネヒキリ、高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキ、NHKマイルCをレコード勝ちしたダノンシャンティ、皐月賞馬のイスラボニータなど、多くの活躍馬を輩出。
2000年から2013年まで14年連続でサイアーランキングトップ10入りを果たしている。2010年には、ランキング2位となりこれが自己最高位。
2015年には、ストレイトガールがヴィクトリアマイルとスプリンターズステークスを勝ち、古馬になったイスラボニータが天皇賞秋やマイルチャンピオンシップで活躍。
腰を悪くした影響で、 2013年に種牡馬を引退。のんびり余生を過ごしてだが、2015年の12月に頸椎損傷のために亡くなる。
サイアーランキングの推移
- 2015年:15位
- 2014年:11位
- 2013年:10位
- 2012年:6位
- 2011年:7位
種付け料
2015年死亡により不明
代表産駒
イスラボニータ、サンクラシーク、カネヒキリ、ダノンシャンティ、ファイングレイン、サダムパテック、ミラクルレジェンド、コイウタ、ドリームパスポート、ロサギガンティア、エイジアンウインズ、ストレイトガール等
血統
父のサンデーサイレンスは、アメリカで2冠馬になり日本国内でも歴史に名を残す大種牡馬。フジキセキは、父の初年度産駒として代表的な立場といえる。
母のミルレーサーは、アメリカからの輸入繁殖牝馬。母系は、半兄にキャピタルSを勝ったスーパーライセンス、半姉にマーメイドSを勝ったシャイニンレーサー、全弟にアグネススペシャル、姪にシャイニングルビー、甥には函館2歳Sを制したキョウエイアシュラらがいる。
母父のルファビュリューはフランスのダービーを制した馬。スタミナとパワーを兼ね備えている血統と評価されている。
現代の主流血統であるノーザンダンサー系やミスプロ系の血を含んでいないので、配合の幅が広いのも長所。
フジキセキ産駒のデータ
次にフジキセキ産駒の成績を見ていきましょう。これからご紹介するデータは2014年1月1日から2016年6月5日までのデータを基に分析していきます。
場所別(芝コース)
芝コースで目立つのは、福島競馬場での勝率です。他の競馬場では一桁台の勝率が、福島になると17%と飛躍的に上昇しています。
他にも東京競馬場や中山競馬場、函館競馬場でも安定した複勝率があります。
逆に最も苦手としているコースは阪神競馬場です。勝率や複勝率が他の競馬場よりもかなり低いです。
場所別(ダートコース)
ダートになると、相性が良いコースが札幌競馬場と新潟競馬場に変化します。複勝率が25%前後あるので、この2つの競馬場では芝のレースと遜色ない確率で馬券に絡むというデータになっています。
ダートで苦手な場所は、函館と阪神競馬場です。阪神に関しては、芝もダートも共通して相性が悪いようです。
クラス別(芝コース)
クラス別の成績を見てみましょう。2014年以降のデータですが、新馬戦とG1での勝率がとても高いです。
新馬戦では、全部で9頭しかデータがないので信頼性は落ちますが、新馬戦より出走数が多いG1での勝率が高いのが特徴的です。
単勝回収値も高いので、G1レースでは人気より好走するフジキセキ産駒が多いという証拠でもあります。
クラス別(ダートコース)
ダートになると、クラスが上がると成績が良くありません。ダートレースの場合は下級クラス限定で馬券を考えた方が良いでしょう。
距離別(芝コース)
次に距離別の成績です。このデータを見る限りでは、どんな距離でも安定した結果を期待できます。
しかし、フジキセキ産駒は世間一般的には短距離の方が良いという印象があります。たしかに2000m以上の距離の複勝率も高いですが、短距離レースと長距離レースのデータサンプル数がかなり違うので、上のデータを見て「長距離でも大丈夫そうだ!」と思うのは少し危険かもしれません。
基本的には1800mまでが適性距離とする方が良いと思います。
距離別(ダートコース)
ダートのデータを見ても芝と同じで、一見すると長距離でも大丈夫なイメージがあると思いますが、サンプル数が2000を超えると激減するのであまり信用しない方が良いと思います。
個人的には、フジキセキ産駒はやはり1800mまでかなと思っています。
馬場状態別
次に馬場状態別の成績です。芝のレースで一番のお勧めの馬場状態は、やや湿った馬場になった時が良いです。この時に勝率や連対率が高まります。
ダートでは逆に湿った時よりも、パンパンに乾いた良馬場の方が好走するというデータになっています。
性別と年齢別
次に牡馬・セン馬と牝馬の年齢別の成績を分析してみましょう。下の2枚のデータがありますが、上が牡馬・セン馬、下の画像データは牝馬になります。
まずは牡馬とセン馬の成績を見ましょう。フジキセキは2011年には種付けを中止しているので、2014年以降のデータでは2歳の出走がありません。
年齢別の成績では、時期による偏りはそれほど無いと思います。3歳から4歳までが一番ピークですが、5歳になっても時々好走する馬がいることも忘れない方が良いです。
牝馬になると、3歳よりも4歳になってからの方が信頼性が高くなります。5歳になっても3歳時よりも全体的に安定した成績を出しています。
フジキセキ産駒の馬券の買い方
フジキセキ産駒は現在5歳の世代が最後の産駒になります。たとえ5歳になっても成績が極端に悪くなるわけではないので、しばらく狙える産駒だと思います。
基本的に芝のレースで狙うべきで、距離適性は出来れば1800mまでにした方が賢明だと思います。
特に福島競馬場での成績が良いので、ここで産駒が走るときは要注意です。
逆に阪神では評価を下げた方が良いです。