1995年生まれのグラスワンダーは、有馬記念連覇、宝塚記念、朝日杯3歳S等のG1タイトルを4つも獲得した名サラブレッドでした。
現役時代のキャリアは15戦9勝という素晴らしい成績を残しています。
後継種牡馬として確固たる地位を確立させたスクリーンヒーロー等が活躍した事で、ロベルト系の血を引く父系の血統に再びスポットライトが当たっています。
そんなグラスワンダーのデータをを見ていきたいと思います。
今回の目次
グラスワンダーのプロフィール
1997年の9月の新馬戦でデビュー。中山の芝1800mのレースで2着に3馬身差を付けて快勝する。
2戦目のアイビーステークスでも2着に5馬身差で勝利し、3戦目の京成杯3歳ステークスも6馬身差で勝利。デビュー3連勝でG2も制した。
12月の朝日杯3歳ステークスでも快勝して2歳戦は4戦4勝。G1タイトルも獲得し、クラシック候補の筆頭に躍り出る。
3歳のクラシック戦線では有力馬と目されていたが、3月に骨折が判明。クラシック戦線をあきらめざるを得なくなった。
3歳の秋には復帰する。復帰戦は10月の毎日王冠に出走し5着となる。11月のアルゼンチン共和国杯も6着に敗れた。
12月の有馬記念では4番人気としてレースに臨んだが、エアグルーヴやセイウンスカイら強豪の古馬らを破って勝利。見事に復活を印象づけた。
4歳になり、5月の京王杯スプリングカップを勝ち、安田記念で2着となるも宝塚記念ではスペシャルウィークらを破って3つめのG1タイトルを獲得。
年末の有馬記念でもスペシャルウィークらに勝って有馬記念の連覇を成し遂げた。
5歳時には人気に応える走りが出来なくなって、宝塚記念も6着に敗れる。このレースが現役最後のレースとなった。
引退後は種牡馬入り。ジャパンカップを制したスクリーンヒーロー、宝塚記念を勝ったアーネストリー等、大舞台で強い産駒を多く輩出した。
2015年には後継種牡馬となったスクリーンヒーローの産駒であるモーリスが大ブレイク。現在も最も注目が集まっている血統の一つになっている。
サイアーランキングの推移
- 2015年:53位
- 2014年:44位
- 2013年:34位
- 2012年:35位
- 2011年:25位
種付け料
50万円
代表産駒
スクリーンヒーロー、アーネストリー、セイウンワンダー、ビッグロマンス、マルカラスカル、サクラメガワンダー、スマートオリオン等
血統
父のシルヴァーホークは、イギリスダービーを制したベニーザディップやフランスのオークスを勝ったレディインシルヴァー等を輩出した名種牡馬である。
母系は全妹にアメリカG1のワンダーアゲイン、叔母にクイーンエリザベス2世チャレンジカップを勝ったトリビュレーション、甥に東京スポーツ賞2歳ステークスで2着になったレッドレイヴンらがいる。
グラスワンダー産駒のデータ
次にグラスワンダー産駒の成績を見ていきましょう。これからご紹介するデータは2014年1月1日から2016年7月16日までのデータを基に分析していきます。
場所別(芝コース)
グラスワンダー産駒は芝を得意としていて、特に札幌、中山、中京、京都で成績が良いです。
最も勝率が高いのは札幌の8.3%で、連対率も20.8%と高いです。
逆に苦手としているのは小倉競馬場で、2014年以降では小倉だけ未勝利です。
複勝率もわずか7%と低いので、小倉競馬場でグラスワンダー産駒の馬券を買うときは注意が必要です。
場所別(ダートコース)
ダートになると芝よりも全体的に成績が落ちます。未勝利の競馬場も半分くらいあり、回収率の違いも認識しておく必要があります。
まず比較的成績が良いのは、函館と中京競馬場です。この2つの複勝率はともに16.7%と競馬場の中では最も高い複勝率になっています。
札幌の回収率の高さも目を引くと思いますが、人気薄の馬が1回勝っただけなので、札幌が得意とは思わない方が良いでしょう。
逆に苦手としているダートコースは、東京、中山、阪神の3つです。これら3つの競馬場の複勝率は4%から7%前後なので、苦戦する傾向にあります。
クラス別(芝コース)
芝のレースで最も成績が良いのが1000万下クラスでのレースです。勝率は12.5%、複勝率が29.2%という数字になっています。
この数字は新馬戦や未勝利戦よりも成績が良く、回収率も高くなっています。
新馬戦や未勝利戦を勝った産駒は、上のクラスに行っても強さを発揮できる産駒が多いようです。
クラス別(ダートコース)
ダートになるとかなり苦戦する傾向にあり、1000万下クラス以上では未勝利です。
新馬戦でも勝った事が無く、未勝利戦を勝ち上がっていくパターンになっています。
ダートでグラスワンダー産駒の馬券を買うときは、芝よりも確率がかなり低くなります。
距離別(芝コース)
芝の距離適性に関しては少し変わった傾向で、短距離でも2100m以上の長い距離になっても結果を出せる産駒が多いデータになっています。
複勝率と複勝回収率が最も高いのは2100mから2400mまでの距離で、一部で囁かれていた短距離適性が強いというイメージのあるグラスワンダー産駒とは異なる結果になっています。
距離別(ダートコース)
ダートでも2100m以上の距離での複勝率が最も高いです。グラスワンダー産駒の適性距離は、短距離よりも長距離の方が適性があると考えるのがベターだと思います。
馬場状態別
馬場状態別の成績では、芝では良馬場が最も信頼度が高く、ダートだと湿った馬場の方が好走する確率が高くなります。
芝もダートもスピードが出る馬場を好む傾向にあるようです。
性別と年齢別
次に牡馬・セン馬と牝馬の年齢別の成績を分析してみましょう。下の2枚のデータがありますが、上が牡馬・セン馬、下の画像データは牝馬になります。
牡馬に関しては、2歳戦よりも3歳と4歳の時期が最も強く、5歳になっても力の衰えが少ないです。
5歳の後半から6歳になってくると、勝率や連対率が下がりますので、5歳の夏頃までがピークと考えるのが良いです。
牝馬になると2歳戦に強く、ピークは3歳期に迎えます。4歳以降になると勝てなくなる産駒が多くなります。
牝馬は牡馬よりも早熟で短命といえると思います。
グラスワンダー産駒の馬券の買い方
グラスワンダーは万能型の種牡馬で、産駒も幅広い距離適性が魅力です。回収率の高さは2100mから2400mまでの範囲の距離が高く、短距離やマイルよりも狙い目となります。
小倉競馬場を苦手としていますが、それ以外の競馬場では芝のレースではそれなりに走れるでしょう。
芝のレースでは良馬場が良く、ダートでは湿った状態になった方が確立が上昇します。
牝馬よりも牡馬の方がやや優勢な結果を残しているので、どちらかといえば牡馬の方の馬券を買う事をお勧めします。
牝馬であれば2歳戦や3歳戦の確立が高いので、若駒であれば狙っても良いと思います。