11月26日に東京競馬場の芝2400で開催されるG1レースの第37回 ジャパンカップのデータ分析をしていきたいと思います。
前回の天皇賞・秋で見事に復活を遂げたキタサンブラックや、今年の宝塚記念を制したサトノクラウン、牝馬代表のソウルスターリング、今年のダービー馬のレイデオロ等が参戦を予定しています。
強豪古馬と3歳世代屈指の牡馬牝馬との対決は非常に楽しみですね。
23日午後、枠順が確定しました。結局17頭の出走になりました。
今回の目次
東京競馬場芝2400mのコース解説
ジャパンカップは、東京競馬場の芝コース2400mで行われます。このコース設定は、ダービーやオークスと同じコース設定です。
スタートは正面スタンドの坂の終わり辺りからで、コースを1週してきます。
ジャパンカップのレースラップ傾向
過去10回のジャパンカップの勝ち時計とラップタイム推移は下記の通り。
年 | 1着タイム | ラップタイム |
2016 | 2.25.8 | 13.3-11.3-12.6-12.3-12.2-12.5-12.7-12.3-11.9-11.2-11.4-12.1 |
2015 | 2.24.7 | 12.7-10.8-11.7-12.1-12.0-12.3-12.6-12.7-12.5-11.8-11.5-12.0 |
2014 | 2.23.1 | 12.8-11.2-12.0-11.9-11.7-12.2-11.9-11.8-12.4-11.9-11.5-11.8 |
2013 | 2.26.1 | 12.8-11.4-12.8-12.8-12.6-12.8-12.8-12.4-11.6-11.1-11.1-11.9 |
2012 | 2.23.1 | 12.8-11.0-12.0-12.3-12.1-12.1-12.2-12.0-11.9-11.7-11.5-11.5 |
2011 | 2.24.2 | 13.0-11.7-12.4-12.5-12.2-12.3-12.5-11.9-11.2-11.0-11.5-12.0 |
2010 | 2.24.9 | 12.8-11.7-11.9-12.3-12.0-12.7-12.9-12.0-12.2-11.2-11.3-11.9 |
2009 | 2.22.4 | 12.7-10.5-12.0-12.0-11.8-12.2-12.1-12.0-12.0-11.4-11.4-12.3 |
2008 | 2.25.5 | 12.6-11.6-12.4-12.6-12.6-12.8-12.6-12.0-11.9-11.2-11.3-11.9 |
2007 | 2.24.7 | 12.9-10.7-12.0-12.3-12.2-12.7-12.8-12.6-12.2-11.3-11.1-11.9 |
昨年は前半スローペースでキタサンブラックが逃げ、最後の直線も危なげなく勝ちました。
ラスト1000mのラップライムは、【12.3-11.9-11.2-11.4-12.1】
キタサンブラックの作戦としては、残り1000mから徐々にスロットルを開けてロングスパートの様な形でした。
最後の1ハロンは12.1と、ラスト2ハロンの区間タイム11.4秒よりも0.7秒も落ちているのですが、後続との差はあまり変わらずにゴールしたという事は、他の馬も最後はバテていたという事。
もし今年もキタサンブラックが逃げる展開になるとすれば、天皇賞・春を連覇した様に豊富なスタミナを生かして残り1000mから徐々にペースアップして他の馬も脚を使わせ、切れ味の勝負が得意な馬達の長所を消す作戦をとると推測。
スタミナ自慢のキタサンブラックとのレースでは、後ろからの追い込み馬は勝つ可能性は低くなると思うので、逆転できる可能性があるとすれば、キタサンブラックに近いポジションでレースを進める馬かもしれません。
もしくは、向正面辺りで他の馬がキタサンブラックをつついてペースを乱したりすると、よりレースが面白くなるでしょう。
ジャパンカップの過去の傾向
ジャパンカップの過去の傾向を分析していきましょう。
基本的に内枠有利
ジャパンカップは東京競馬場を1週するので、コーナを4つ通過する事になる。おのずと内側の枠と外側の枠の馬の走行距離に多少の違いが出てきます。
そうなると、全体的には内枠有利の傾向にあります。下記のデータは、過去10回のジャパンカップの枠順別の成績表です。
勝ち馬は内枠からの方が多い傾向にあります。軸馬にするなら内枠にいて、先行脚質の馬を狙う事が王道でしょう。
牝馬のディープインパクト産駒が良いが・・
直近5回のジャパンカップのデータを見ると、牝馬の場合はディープインパクト産駒が良く絡んできます。
直近5回で4回牝馬が馬券に絡んでいますが、全てディープインパクト産駒です。
しかし、今年はディープインパクト産駒の牝馬はおらず、フランケル産駒のソウルスターリングだけです。
毎日王冠と天皇賞・秋でのソウルスターリングは、強豪牡馬との対決でイマイチな内容のレースでした。
はたして今回のソウルスターリングはどうか?個人的には今回も天皇賞・秋と同様に無印にする可能性が高いです。
ただし、1枠だった場合は印を付けるかもしれません。
外国人騎手が毎年絡む
直近5回のジャパンカップでは、毎年外国人騎手が馬券に絡んでいます。
大舞台に強い外国人ジョッキーが多いので、今年のジャパンカップも外国人ジョッキーに要注意だと思います。
牡馬でもディープインパクト!?
過去10回のジャパンカップでは、ディープインパクト産駒が3勝と最も多くの勝ち馬を輩出しています。
2着になったのもこの表ではディープインパクト産駒のみで、血統ベースで軸馬を探すならディープインパクト産駒だと思います。
ちなみに今年のメンバーの中で、ディープインパクト産駒はマカヒキ、ディサイファ、ラストインパクトの3頭が該当します。
データ分析
2400mの成績
今回のメンバーの芝2400mの過去の実績のデータです。
複勝率100%の馬は5頭います。シュヴァルグラン、シャケトラ、サトノクラウン、ソウルスターリング、レイデオロの5頭です。
そんな中でも最もレース数が多いのがシュヴァルグラン。この馬は2400m以上のレースだと本領を発揮するタイプの様です。
東京芝2400mコースの成績
今度は東京競馬場の芝2400mに限定したデータを見てみましょう。
この中では、昨年のダービー馬のマカヒキと今年のダービー馬のレイデオロ、それに牝馬クラシックで活躍したソウルスターリングが勝率100%となっていますが、いずれも1レースしかしていないので、このデータを鵜呑みにしない方が良いでしょう。
あくまでも参考程度にしてください。
G1での実績
G1レースでの成績表も見てみましょう。
やはりキタサンブラックが12回のG1レースで10回も馬券に絡んでおり、このデータを見ると1番人気必至の状況だと思います。
スピード指数で比較
TARGERのZI指数で比較
TARGETの指数を見ると、キタサンブラックの135がトップになっており、次にダービー馬のレイデオロの131、サトノクラウンの129、シュヴァルグランの124、タンタアレグリアの123と続いています。
KLANのスピード指数で比較
KLANの指数では、こちらも102のキタサンブラックがトップに、次に101のヤマカツエース、100のシュヴァルグラン、99は3頭でサトノクラウン、トーセンバジル、マカヒキとなっています。
netkeiba.comのスピード指数で比較
netkeiba.comさんの指数は、124が2頭いてキタサンブラックとシュヴァルグランがトップ。
次に119のトーセンバジル(回避)とヤマカツエース、117はレインボーラインとシャケトラとなっています。
予想オッズ
現時点では、キタサンブラックが2.4倍で1番人気になっています。次にレイデオロの2.8倍、3番手と4番手のサトノクラウンとシュヴァルグランが7.3倍で並んでいます。
5番手は14.7倍のソウルスターリング、6番手はマカヒキの15.1倍です。
キタサンブラックとレイデオロの2頭が思いの外接近していますね。キタサンブラックを逆転できる可能性があるのは、対戦成績の無いダービー馬かもしれないと多くの人が潜在的に推測している証拠ですね。
注目馬
キタサンブラック
今年限りで現役引退が決まっているキタサンブラック。今年の宝塚記念での大敗が心配されていたのですが、先日の天皇賞・秋での見事な復活劇に感動した人も多いと思います。
今回のジャパンカップも昨年からの連覇を狙っており、休み明け2戦目で体調も前走以上に仕上げてきていると推測できます。
普通に走れば勝ち負け必至と評価出来ると思います。
ただし、昨年のジャパンカップではスローペースを楽々逃げて危なげなく勝利していますが、今年は昨年よりは楽な展開にはならないかもしれません。
短期免許で参戦してくる外国人ジョッキーも今年は多くなりそうですし、そうなるとキタサンブラックを玉砕覚悟でマークしてくる馬もいるかもしれません。
もともとジャパンカップでは逃げ馬が勝つことは最近は無かったので、今年の枠順等も含めて少し気になる所です。
さらに、武豊騎手の怪我の状態も少し心配の種になっています。19日に復帰したのですが、そのレース内容はあまり良くなかったように見えました。
もしかしたら、体調はまだまだ完調にはほど遠い可能性があります。
サトノクラウン
今年のサトノクラウンはまさに飛躍の年となりました。昨年末の香港でのG1勝利から一気に覚醒したような成績を残しています。
大阪杯では敗れたものの、それ以外の京都記念、宝塚記念、天皇賞・秋と全て勝ち負けを演じています。
特に昨年の香港ヴァースでは、凱旋門賞2着のハイランドリールを見事に差しきり勝利。2400mの適性はかなり高いのではないかと推測できます。
もしレース当日に馬場が渋っていれば、キタサンブラックを逆転できる可能性が出てくるでしょう。
逆に良馬場だとキタサンブラックを差しきるのはあまりイメージできないです。力の要る馬場で本領を発揮するサトノクラウンには天候を味方に付ける必要が出てくるでしょう。
レイデオロ
今年のダービーを制したレイデオロ。現3歳世代では1,2の力を持っている馬だと思います。
ダービーを勝った後は、菊花賞ではなくて古馬G1戦線にチャレンジする事を表明。もし菊花賞に出ていたとしても、十分馬券に絡んだ可能性があると思っています。
今回は初めての強豪古馬との対戦。2キロのハンデを貰ってはいるものの、果たして勝ち負けになるのかどうか。
個人的には過剰人気気味になりそうなので、本命にはしない方が良いかなぁと思っています。
牡馬との対決はやはり簡単ではないでしょう。
・・ところが19日のマイルチャンピオンシップで、ミルコ・デムーロ騎乗の3歳馬のペルシアンナイトが勝った事で、3歳馬の評価を見直すかもしれません。
ソウルスターリング
今年のオークス馬で、3歳世代の牝馬の中でもトップの1頭。しかし、毎日王冠や天皇賞・秋では古馬の壁に跳ね返されています。
2400mの距離も血統的には合わないのではないかと言われていますし、もし人気になるようであれば、無印という選択肢もあり得ます。
シュヴァルグラン
2400mではとても安定した走りをするのがシュヴァルグラン。今まで2400mを6回は知って全て3着以内になっています。
昨年のジャパンカップでも3着と好走しており、今回も印は是非付けなければいけないと思っています。
さらに今回の鞍上がミルコ・デムーロになるという噂もあります。もしそうなれば、ペルシアンナイトで勝ったマイルチャンピオンシップの印象が強いので、キタサンブラックに次ぐ人気になる可能性があるかもしれません。
マカヒキ
個人的に今回のダークホースとなる可能性があると思っているマカヒキ。
昨年の凱旋門賞の惨敗で評価が大きく下がってしまい、年明けの京都記念や大阪杯、毎日王冠等でもダービーを勝った頃のイメージとは少し違った結果となっています。
しかし、東京競馬場で開催された毎日王冠のレースを振り返ってみると、決して弱いレースをしていたわけではないと思います。
最後の直線は前にいたヤングマンパワーが邪魔になって、最後の150mした本気追いが出来なかったからです。
パトロールビデオを見ても、ヤングマンパワーに見事にブロックされた形となってしまっていました。
ラスト150mでの脚色は、勝ったリアルスティールや2着のサトノアラジンと遜色ないように見えました。
もし、今回のジャパンカップが良馬場で開催される事が出来れば馬券圏内のチャンス有りなのではないかと思っています。
シャケトラ
4歳世代の上位に位置する1頭。元々デビュー前はサトノダイヤモンドと同じ位評価されていた馬だったのですが、骨折等でデビューが遅れてしまった大器。
前走の天皇賞・秋の結果は度外視で良いと思います。馬体重もプラス16キロの休み明けだったし、終始大外を回されて一番距離ロスをしていたと思います。
今回は、人気も落ちるし馬券的には狙い目の1頭だと思っています。
枠順確定後の見解
※11月23日16時更新
さきほど枠順が確定しました。注目のキタサンブラックは2枠4番に、2番人気が予想されるレイデオロは1枠2番、絶好調のミルコ・デムーロ騎手のサトノクラウンは6枠12番との事です。
キタサンブラックとレイデオロは良い枠に入ったと思います。特にキタサンブラックはスタートが普通に決まれば、前目のポジションで競馬をすると思うので良い枠だと思います。
レイデオロも2番枠なので、もしスタートをしっかり決めて比較的前のポジション(キタサンブラックから離れすぎずに)でレースする作戦をとるとすれば良い枠だと思います。
しかし、もし後ろから競馬をするとすればこの2番枠は逆に良くないと思うので、おそらくキタサンブラックと近いポジションで競馬をしてくれる事を期待しています。
気になるのは3番に入ったギニョールです。逃げ馬という情報もあるようなので、もしかしたらこのギニョールの動向がジャパンカップのレースペースを決める可能性もあります。
もしこのギニョールが逃げるような形になれば、隣のキタサンブラックが2番手でぴったりマークして走りやすくなるかもしれません。
逆にキタサンブラックが逃げて、それをギニョールがマークする形もあるかもしれませんね。
シュヴァルグランの最内枠は逆に諸刃の剣かも。基本的には差し競馬の馬だと思うので、この1枠は逆に包まれるリスクがあります。
ソウルスターリングやサトノクラウンの枠順は特に良くも無く悪くも無い印象。
ミルコ・デムーロ騎手は、キタサンブラックと近い位置で競馬をしたいと思っていると推測するので、もう少しキタサンブラックに近い位置が良かったと思っているかもしれません。
まとめ
今年は昨年の様なキタサンブラックが楽逃げできるようなレースにはならないと思います。
というよりも、なってほしくないというか、昨年のジャパンカップはなんか面白みに欠ける印象があったので、もっと激しい駆け引きがあるレースをしてほしいですね。
キタサンブラックがおそらく1番人気ですが、軽く扱えないので重い印を付けると思います。
もし天候が悪くて馬場が渋ったりしたらサトノクラウンを本命にする事も考えます。
今の所はキタサンブラックかレイデオロが本命候補です。
馬券の買い方などを含めてこれからじっくり考えていきたいと思います。
馬券戦略
※11月25日14時30分更新
いよいよジャパンカップです。非常に楽しみなレースとなりました。キタサンブラックが連覇を果たすのか?もしくは外国馬や新戦力がキタサンブラックを破るのか?
最終的な印は、以下の様になりました。
- ◎②レイデオロ
- 〇④キタサンブラック
- ▲⑧ソウルスターリング
- ☆⑪マカヒキ
- △③ギニョール
- △⑨レインボーライン
- △①シュヴァルグラン
- △⑬シャケトラ
- △⑯ヤマカツエース
本命はレイデオロ。古馬同士ではキタサンブラックとの順位付けは終わっていると思っています。古馬でキタサンブラックに勝てる馬はいないと思っています。馬場が渋れたサトノクラウンに逆転のチャンスがあると思いますが、今回の良馬場ではキタサンブラックの方が上とみます。
よって、サトノクラウンは消します。1番人気と2番人気に重い印を付けている以上は3番人気はバッサリ切らないと、的中しても配当が低いので。。
そのキタサンブラックと初対決で3歳馬のレイデオロが唯一の逆転のチャンスがある馬だと思い本命にしました。
武騎手も怪我の影響が少し心配なのと、キタサンブラックの前走の疲れを多少考慮して対抗にしました。
それと斤量が2キロ軽いこともレイデオロ有利の根拠のひとつ。もし同斤量ならキタサンブラックを本命にしたと思いますが、完成度の高いレイデオロならこの2キロ差が活きる可能性が高いとみています。
他にはソウルスターリングも▲にしました。数日前までは無印にしようかと思っていたのですが、良馬場であれば3着の可能性アリと思って印を付けてしまいました。
マカヒキもダークホース。ダービー馬として東京2400mで以前の走りを取り戻してほしいと思っています。
△の5頭も③連系の3着ならチャンスありで、人気もあまりない馬を選びました。
馬券の買い目は三連複フォーメーションが、②-④⑧⑪-①③④⑧⑨⑪⑬⑯の18点を各1000円ずつ、合計18000円で勝負です。
それと三連単フォーメーションの②-④-①③⑧⑨⑪⑬⑯の1着、2着固定の7点を各1000円ずつ買いました。
今回のジャパンカップは合計25000円で勝負です。
皆さんも良かったら参考にしてみて下さい。
予想結果とレース回顧
※11月26日17時更新
先ほどジャパンカップが終了しました。本命にしたレイデオロが2着、対抗のキタサンブラックが3着、△のシュヴァルグランが1着で3連複が一応的中しました。
レイデオロはもうちょっとスタートを決めて、より前のポジションで競馬がしたかったはず。
勝ったシュヴァルグランはスタートもしっかり決めて、絶好のポジションで競馬をし、距離ロスも無く、枠順を最大限生かしたレースが出来たと思います。
ボウマン騎手の乗り方も素晴らしかったですね。
レースラップは、去年のジャパンカップよりもペースは流れて先行勢には少しきつい競馬になったと思います。
そんな中でもキタサンブラックは負けて強しのレースをしました。天皇賞・秋での激走で今回の調教はいつもよりは少し軽めという情報もあったし、有馬記念には精一杯仕上げてくるはず。
キタサンブラックの引退レースとなる有馬記念もいまから非常に楽しみですね。