近い将来、日本の競馬界に旋風を巻き起こしそうなサラブレッドが登場しました。その名はミスエルテ。
競走馬としてのキャリア14戦全勝の怪物、フランケルの初年度産駒として注目されています。
ディープインパクト産駒の活躍が目立つ日本の競馬界に、世界的に注目されているフランケルの血統は日本でも新たな伝説を作れるのでしょうか?
そんなフランケル産駒の1頭、ミスエルテのレースデータを見ながら解説してみたいと思います。
今回の目次
ミスエルテの戦歴(2017年1月3日現在)
2016年の9月24日の阪神競馬場の1600メートルで行われた牝馬限定の新馬戦でデビュー。
その新馬戦では上がり33.7の末脚を見せて快勝。2戦目は京都競馬場の1400で行われたファンタジーステークスで、ここでもあっさり勝ちました。
そして3戦目には、牝馬でありながら阪神ジュベナイルフィリーズを回避して翌週の朝日杯フューチュリティステークスに挑戦することになりました。
しかし、この3戦目のレースで初黒星を喫します。レースでは中団でレースを運んだのですが、最後の直線では思いのほか伸びきれずに4着と敗れてしまいました。
下のデータを見て頂くと分かりますが、デビュー2戦は共に上がり速度が時速64キロを超えています。この数字はかなり高い速度だと思います。
しかも阪神競馬場の新馬戦は稍重の馬場であった事を考慮すると、この数字は素晴らしい可能性を感じさせる数字だと思います。
しかし、3戦目では上がりタイムも4番目の速さで、特筆すべきモノはそのほど感じる事は出来ませんでした。
良馬場発表だったのですが、稍重と同等の馬場が影響したことも考えられます。さらに馬体重も減っていたり、レース前にかなり入れ込んでいた事も影響したと思います。
デビュー戦を分析
レースデータ
デビュー戦は、圧倒的1番人気で単勝オッズは1.3倍になりました。
このレースは1000メートル通過タイムが62.9秒なので、新馬戦らしくスローペースの展開になりました。
そんな中で、ミスエルテはまずますのスタートで道中は中団辺りのポジションで競馬をし、最後の直線ではゴールまで馬なりで楽勝しました。
上がり3ハロンは33.7秒とミルコデムーロ鞍上のティアドーロより遅いのですが、ティアドーロは最後の直線で全速力で走っていたのに対して、ミスエルテは終始馬なりだったので、力関係はミスエルテが圧倒的な存在感を示したレースだったといえるでしょう。
ミスエルテ緒戦のレース動画
下の動画はミスエルテのデビュー戦になります。黄色い帽子のゼッケン8番がミスエルテです。
2戦目を分析
レースデータ
デビュー戦を圧勝し、2戦目は牝馬限定の2歳重賞レースのファンタジーステークスに挑戦。
このレースでは、スタートで大きく出遅れてしまったのですが、最後の直線では大外を廻して追い込み、2着に0.2秒差を付けて勝利しました。
重賞レースなので、新馬戦よりはレースペースはそれなりに流れたのも少しミスエルテには見方した展開だったと思います。
しかし、それを差し引いてもミスエルテの力が抜けている印象のレースでした。
ミスエルテ2戦目のレース動画
下の動画は、2戦目のファンタジーステークスのレース動画になります。
白色の1番がミスエルテです。
3戦目を分析
レースデータ
阪神ジュベナイルフィリーズを回避し、満を持して臨んだ3戦目の朝日杯フューチュリティステークスでは、単勝オッズ2.4倍の1番人気になりました。
スタートでは今までで一番良いスタートで比較的前目の位置で競馬が出来ましたが、最後の直線では、後ろにいたサトノアレスやモンドキャンノにあっさりかわされ、逃げていたボンセルヴィーゾにも届きませんでした。
馬場状態もかなり力の要るような馬場で、この様な馬場は会わないかもしれませんね。川田ジョッキーのレース後のコメントでも軽い馬場の方が向いているとの事です。
ミスエルテ3戦目の動画
スタートは上手に決めたのですが、最後は案外の結果になりました。オレンジの帽子のゼッケン13番がミスエルテです。
まとめ
現時点では牝馬クラシック候補の1頭といえると思いますが、朝日杯フューチュリティステークスのレース内容を見ると、同じフランケル産駒のソウルスターリングの方が上の様な気もしてしまいます。
今後は、掛り気味の性格なので距離延長がどの程度までいけるかが課題だと思います。
1600Mまでは問題ないとしても、それ以上の距離になると不安があると思います。